排水浄化力:事例1

市立中学校の受水槽1次側に設置

新潟市立曽野木中学校設置例 竣工:昭和60年 年間使用水量:9,991t(H14年実績)

BRC22設置:2003年3月20日 設置場所:ポンプ室内受水槽1次側

■ 排水浄化の変化

BRC22はお湯のように洗うチカラが優れた状態になるため、建物全体で常にお湯を流しているような環境を作り出しています。さらに、少ない洗剤で効率良く汚れを落とすことができますので、省力化、省コスト化にとどまらず、洗剤の使用量を減らせることは排水浄化に直結することは自明です。

水を大量に使う事業所ほど、このBRC22独自の利点にいち早く着目・導入。コスト削減にも大きな成功を納めています。「排水の浄化力」 や「臭気の抑制力」が高いこと、環境保全につながることも採用理由の一つです。また冷却水などのスケール(水あか)防止にも利用されています。


以下の資料は新潟市教育委員会に提出された報告書を元にまとめたものです。

〈報告書の"はじめに"〉BRC22は受水槽の1次側に設置する事により、施設全ての水の向上を図る事が出来ます。施設全体の使用として1番顕著なメリットが給水管における錆の除去、防止でありますが、その溶解力、洗浄力の向上などからグリストラップ槽や排水管の汚れの低減やつまりの防止、悪臭の低減など、メインテナンスコストの低減や排水管の延命化をはかる事が出来、結果的には排水の浄化作用があることから環境保全に役立つ効果があります。

今回は「BRC22」設置のメリットの1つである学校給食における厨房の排水浄化の効果について関係者の方々のご協力のもと調査をしましたので、ここにご報告申し上げます。


■給食室のグリース槽の汚れ状態の視認と採取データの変化

調査期間:2003年3月18日〜同7月16日 原則として採水時間は午後3時、採水日は水曜日とする

  • 設置前:2回採取し、平均値とする
  • 設置直後は1週間後 
  • b以降は2週間毎の採水(給食実施日のみ)
  • 分析者内藤環境管理株式会社

設置前(3月19日)

第2層は油脂層が全面を覆っていて、 油成分の汚れが第4層でも確認できる。

2ヶ月半後(5月28日)

第2層での油脂層の表面が分断し、油分の分解が進んでいる事が解る。この頃には油臭や異臭がほとんど無くなった。

3ヵ月後(6月11日)

全ての層の表面の油脂層の分解が進んでいる。 この写真では解りにくいが、右槽の分析用の水はこの時期頃よりだいぶ透明度が増していた。


▲設置4ヶ月後には濁度が5%に低減した(7月の採水データによる)

n-Hex の採水データ推移グラフから、その後さらに改善されているものと推測される。



4ヶ月間に渡る排水の水質分析結果は以下の通りです。

*COD (化学的酸素要求量)

水中に含まれる被酸化性物質(有機物、亜硝酸、鉄(II)塩、硫化物など)を過マンガン酸などの酸化剤を用いて、消費される酸化剤の量で表したもの。水の汚濁状況を簡易的に調べるために用いられる。

(基準値:水濁法160mg/ℓ  下水道法600mg/ℓ)

COD計量方法: JIS K 0102 17

*BOD (生物化学的酸素要求量)

水中に含まれる有機物などが、微生物により20℃、5日間で分解される際に消費される酸素量で水の汚れを生化学的に表したもの。(基準値:水濁法160mg/ℓ 下水道法600mg/ℓ)

*n-Hex(ノルマルヘキサン抽出物含有量)

鉱油類、魚介類の死滅や油膜・油臭などの原因となる油汚染や界面活性剤や石鹸、アルコール、アミン類、農薬や染料、フェノール類などの水中汚染の指標。

油汚染は環境負荷が極めて高いため、水質汚濁防止法や下水道法で一定条件下でヘキサンにより抽出される総量が規制されている。

水中の油の量を表す数値。排水中に含まれる比較的揮発しにくい鉱物油、動植物油、グリース等の不揮発性油脂(油状物質)の量である。新潟市の特定施設の下水排水基準は30mg/l未満である。

(基準値:水濁法30mg/ℓ 鉱油5、動植物油30)

 

設置前は1200mg/Iとかなり高い値を示していたが設置2ヶ月経過をしたあたりから急激に改善され、4ヶ月経過の7月の採水では設置前と比較すると5%近い値にまで大幅に改善されている。

 


■調理師の方々のお話し

  •  設置前は環境に配慮して、食器を洗う洗剤を中性洗剤から固形石鹸に変えたので汚れがなかなか落ちづらいと感じていたが、活性水に変わってからは石鹸の使い勝手や汚れ落ちが良くなったようにも思う。
  • 梅雨時でいろいろな臭いが発生しやすい時期にもかかわらず、特に月曜日の朝一番でも給食調理室内全体の、嫌な臭いが感じられなくなった。
  • 排水溝回りの嫌な臭いがなくなった。

(報告書より)

活水器「BRC22」は私達の使用する「水」の本来の力を引き出すことが知られています。

開発者の当初の目的は排水浄化にあり、これまでも河川の汚染を少しでも改善する事に大きな意義を感じていました。

今回、2次的なメリットとして貴施設の学校給食における排水の浄化についてもはっきりと効果を確認できました。水の洗浄力という点からは他にもトイレや水飲み場などの衛生面の向上なども効果の1つとして考えられます。



排水浄化力:事例2

大型商業施設内グリストラップ槽の変化

設置場所:新潟伊勢丹デパート内とんこつラーメン店の水道水ラインに設置
BRC22TH-600:1999年1月20日 

 調査の目的

デパート内の飲食店や社員食堂の厨房内グリストラップ槽は、これまでバキューム清掃(排水管の詰まり・臭いの防止等の為)を月2回行っているが、「BRC22」設置による溶解力の向上、洗浄力の向上等の効果により、バキューム清掃の頻度の減少をはかることが出来るか否かについて、検証のためにテスト設置を行った。

 

調査内容と概要

 今回の調査はとんこつラーメン店「さが野」におけるグリストラップ槽の第三槽より採水した排水の水質分析( 7項目)


グリストラップ槽の水質分析

 グリストラップ槽の油脂層の分解等の進行に伴い、排水の水質も変化し、各数値の低下をもたらす。

したがって各数値(溶存酸素以外)の低下にともない、汚れが改善されていることを間接的に表す。

 

 🅐COD-cr(化学的酸素消費量)
🅑BOD(生物化学的酸素要求量)

🅒DO(溶存酸素量)🅓全窒素量 🅔リン酸 🅕濁度

🅖n-Hex(ノルマルヘキサン抽出物質含有量)

※ 排水の有機物汚染度合 を測定するために🅐🅑🅒🅕🅖 を測定。 環境配慮より基準項目ではない富栄養化の指標である🅓🅔も測定した。

※注:清掃状況について

4月21日までは採水2週間前にグリストラップ槽のバキューム清掃を行っていたが、テスト的に4月21日はバキューム清掃を行わず、4週間の間隔をあけて5月6日の採水を行った。

※注: 3月3日水質について

各分析担当者からのコメントによると3月3日分の検体に関しては浮遊物が検体中に混入した状態で分析が行われたため、従来の数値とは単純な比較ができない数値になってしまった。

 

🅐 COD—cr( 化学的酸素消費量 Chemical Oxygen Demand )

有機物の炭素と水素によって消費される酸素量を測定し、水の汚染度を判断する指標。(世界的に採用されている=クロム酸カリウム《K2CrO7》消費量での測定値)

設置前は1047mg/ℓと汚染が高い数値を示していたが、その後は全体として低下傾向を示している。3/3、4/7とピークを形成しているが、これはその前の店舗の運営状況(来店客数)による影響と思われる。4/7~5/6の1ヶ月は途中の清掃をはぶいたため、4/21以降の数値は上昇したものの、清掃なしの状態としては以前と比較しても大幅に改善されており今後は清掃間隔を広げても良い状態を維持できる事を示唆している。2週間清掃した5/19、6/2ともに低い数値を保っている。

(注:水質汚染防止法及び各自治体の各例で規制されており、総量規制項目になっている。)

🅑BOD( 生物化学的酸素要求量  Biochemical Oxygen Demand )

微生物が水中の有機物を分解するときに必要な酸素量で汚れの度合いを表す指標。新潟市の特定施設の下水排水基準は600mg/ℓ未満であり、設置前は1100mg/ℓで有機物を多く含んだ排水であることがわかる。CODと同様に3/3、4/7にピークを示しているものの全体としては低下傾向を示している。清掃を行わず1ヶ月経過した5/6でもその値は510にとどまっており汚染物質が分解されている状況を示している。2週間清掃した6月2日は設置前の1/4以下の低い数値を示し、更に汚染物質が分解されている状況を示している。

🅒DO(溶存酸素量  Dissolved Oxygen )

水の中に溶け込んでいる酸素量のことで、有機汚染の量を判断する。DOが減少すると、水中の好気性微生物の活動が鈍って腐敗臭がするなど、河川の自然浄化作用が働かなくなる。魚が住めるのは水中溶存酸素が3.0ppm以上である。数値が大きくなるほど汚染が少ないことを示し、設置前は0.38ppmとグリスト槽内の汚染が限界に来ていた事を示している。その後、全体的にDO量は増大しているが4/7のピーク時にはCODなどとは逆に、DO値は低下を示した。しかしながらグリスト槽としては全体的に良いレベルを維持している。

🅓 全窒素量

水中に含まれるアンモニア窒素、亜硝酸窒素、硝酸窒素、有機窒素の総量のこと。水の富栄養化を示す指標で、食品(油・醤油・みそ汁)がそのまま排水に流出すると数値が上昇する。設置前は食品残留物がグリストラップ槽にそのまま滞留していたため高い値を示していた。利用者数の増加に伴い2月の一時期に比べると全窒素分は上昇したが、以前ほど高い数値を示さず「BRC22」水の溶解力の増大に伴い低位安定の数値を示している。

 

🅔 リン酸

水中に含まれるリン分で水の富栄養化を示す指標。米のとぎ汁等の食品関係からの流出もあるが、洗剤に多く含まれる。全窒素と同様に食品中のリン酸分の滞留が高い数値の原因だったが、「BRC22」水の溶解力によって安定的に低い数値を示すようになっている。

🅕 濁度

水中の懸濁している固形物の量を透過度で判断し、水の透明度から汚れを判断する。排水では「浮遊物質」、或いは「懸濁物質量」( SS=Suspended Solid )の項目*が基準値としてあるが今回は参考項目として測定。設置前(288)はうわずみそのものがかなり白濁し、油分、汚れ分が多く含まれていて濁度は高い状態であった。ピーク時の3/3、4/7はやはり濁度も高め数値を示しているが、全体的に低下傾向を示している。1ヶ月間清掃のなかった5/6は高めの数値になったが、これも通常の清掃を実施していれば低下傾向を示したものと推定される。

*SSとは、水中に浮遊または懸濁している直径2mm以下の物質の量のこと。

🅖 n-Hex(ノルマルヘキサン抽出物含有量)

鉱油類、魚介類の死滅や油膜・油臭などの原因となる油汚染や界面活性剤や石鹸、アルコール、アミノ酸、農薬や染料、フェノール類などの水中汚染の指標。

油汚染は環境負荷が極めて高いため、水質汚濁防止法や下水道法で一定条件下でヘキサンにより抽出される総量が規制されている。(ノルマルヘキサン抽出物含有量:昭和49年環境庁告示第64号付表4)

 

基準値:水濁法30mg/ℓ
鉱油5mg/ℓ、動植物油30mg/ℓ

2. グリスト槽の汚れについて

写真【A】では特に1槽・2槽での上部の油脂層が厚く、びっしりと汚れがこびり付いていた物が設置2週間で油脂層 が低減していることがわかる。

またグリストラップ槽の回りの汚れについてもステンレス部分が多く現れ、汚れが落ちてきていることがわかる。今後は第2槽まで上部にできている油脂層がなくなり、第3槽にいたっては水が清澄して行くことが予測できる。

厨房内の床の油汚れについても写真【B】でもわかるように設置前は翌朝でも床がぬれた状態でヌメリがあり、滑りやすかったが、2週間後以降は床のヌメリもなくなり、全く滑らなくなった。厨房内に設置されている排水槽についても設置前は油で白濁し、油脂層があったが、2週間後の水は澄 んでいることがわかる(写真【C】【D】参照)。